愛は華を咲かせるが如
広く長い、つるつるとした廊下。高い高い天井蔵八宝。見上げるとそれは美しい絵が描かれている。また、間隔を空けて彫刻などの美術品が並んでいて思わずうっとりしてしまうほどだ。
総じてきらびやかで大きな宮殿だと知れた。威哥王
しかし、今は美術品を愛でている場合ではない。この広い城で一人でさ迷っている。つまり、迷子だ。
(この城、無駄に広すぎるのよ!迷わない方がおかしいわ)威哥王三鞭粒
今の状態を他のせいにして怒りながらとりあえず前に進んでいく当ては全くない、なるようになれ、と少女はがむしゃらに歩いていた。
この少女の名を、サラ・ファームという。薄茶色の長い髪を持ち、歩く度にまっすぐに伸びた髪が揺れる。どこか凛として上品な美しさを持っている。
それというのも、サラはファーム国第1王女。小さい国ながら、新一粒神一国の姫なのだ。
そんな身分だから供を連れていないはずはないのだが、その肝心な供とはぐれたのだから仕方がない。
(それもこれもあの話から全てがおかしくなったのよ!)威哥王
それは、数週間前に遡る。
***
「お父様、お話とは一体なんなのですか?」蟻力神
サラは父親である、ファーム国王・レギースの前にいた。レギースは威厳ある厳しい顔つきでサラを見ている。
隣には母のシータと兄である王子・アラクがいた。二人とも父親の話を承知しているようだ。
自分に関することなのだろうか、なんとなく居心地が悪い。
「サラよ。実はな、お前の嫁ぎ先が決まった」天天素
「…え?…」
サラは唖然とした。開いた口がふさがらないとはこのことだ。嫁ぎ先?
「よいか、相手はアラフォード国第一王子・ラル殿だ」
「あ、アラフォードって…大国ではありませんか!」
「うむ。光栄なことだ、しっかり頼むよ」
「…そんな」
サラは絶句した。何も言えない、ありえない。
嫁ぎ先が唐突に決まったと言われても、実感がわくものではない。しかも相手はアラフォード国。近隣の国の中でもトップクラスの、財と権力のある豊かな国だ。
ファーム国も決して貧しい国ではないが、アラフォードと比べるといくらか見劣りする。そんなわけだから、サラはこの縁談に気分が暗くなった。
サラは今16になっていた。婚姻は13、4歳で行われることもあるから、決して早いわけではない。サラも王女であるから、恋愛結婚なんて無理だと諦めてもいた。
(けれど、恋すらできなかったのよ)
活発な性格ではあったが、深窓の姫君として育てられたサラは恋する機会なんて全くなかった。そもそも異性と接する機会がないのだから、どうしようもない。
異性といえば父親と兄と弟、従者や衛兵、貴族のおじ様方しか知らない。貴族にも若い男の人はいるけれど、挨拶くらいしかしないのだ。
そんな全く免疫のない自分が嫁ぐなんて、想像できるだろうか。名前しか知らない王子の元へ。
だがサラには断る術もない。父親が嫁げといえば、国のために行くしかないのだ。
「かしこまりました」
「さすが我が娘。輿入れは2週間後だ。下がってよろしい」
「…失礼致します」
サラは礼をしてレギースの御前を去った。扉が閉まると、今まで黙っていた王子・アラクが父・レギースに声をかけた。
「父上。アラフォード国王子、ラル殿のことですが、サラは大丈夫でしょうか」
「ラル殿は随分問題のあるお方のようだからな」
「はい…逆に言えば問題があったからうちとの婚姻が成立したとも」
アラフォード国の王子は2度婚姻し、2度とも破談している。一人は同じく大国の姫。もうひとりは国内でも著名な貴族の娘だった。
――この世界、民衆はもちろん王族でさえ簡単に婚姻・離縁を繰り返すことができた。さらに言えば男女どちらが言い出しても構わない。王族に関して言えば、側室を帰すことも容易であるため女性の出入りが激しかった。
正妃として迎えられた女性と反りが合わなければ離縁することは、一度くらいならばよくある話だ。しかし他国間の婚姻の場合はその例はぐっと少なかった。何よりも相互の利害が絡んだ婚姻だから、離縁するにもやりづらいのだ。
それに別れることが簡単とはいっても、何度も繰り返してはいい感情をもたれるはずもない。 過去には3回離縁をした王がいるにはいるが、その王の治世はうまく行かず廃れてしまった例がある。天天素
そんな事情もあり、どちらも妃になった娘が別れを申し立て、王子の元から去っていった。期間はわずか数か月。
しかしどちらの娘も多くは語らず、不思議と国際問題にまで発展していない。
そのため他国の国王は裕福なアラフォード国にもかかわらず、大切な娘をラル王子に嫁がせることを敬遠していた。
親心としては当然の判断と言えるだろう。五便宝
アラフォード国にとっては、王位第一継承者であるラル王子に正妻がいなくては血筋途絶えてしまうから、これは大問題だ。だから破格の好条件を提示して他国ないし貴族の娘を求めた。
このアラフォード国の庇護を求めたわけではないが、ファーム国王レギースが手を挙げた。
そんなこんなでアラクは妹を心配していたのだ。かわいい妹が同じような目にあってはたまらない。レギースも勿論サラを心配していたが、全ての問題を考えて出した結論だ。中絶薬RU486
サラは親のひいき目なしにしても、真っすぐで意志が強い娘だ。彼女なら大丈夫だとレギースはなんとは無しに思うのである。
「大丈夫です、サラは幸せになりますわ」
王妃・シータがにこにこと笑みを浮かべて言う。レギースとアラクも顔を見合わせ、同じように微笑して頷いた。
***
(お父様の馬鹿!)
レギースの期待も願いも知らず、サラは父親に内心毒づく。こんな話を受けることになったのも、今自分が迷子になって心細いのも、皆父親のせいだ。というか、そう考えた方が寂しさに負けずに気が楽だ。
さらにいえばラル王子の元に嫁ぎに来たものも、まだ一度も本人に会っていなかった。
王子は街にフラフラと出掛けているらしく、精力的に探しているものも捕まらないらしい。サラがアラフォードに来て3日目になるのに、だ。
なんて非常識な人だろう、とサラは思った。年は23らしいという他はどんな性格と容姿をしているか、サラは知らない。ただ2度結婚をしたものも、数か月してすぐ破局したとは兄に聞いている。
(きっと恐ろしく我が儘で口うるさくて、年の割に親父っぽい気持ち悪い奴に違いないんだわ。だから前妻が二人とも逃げ出しちゃったのよ)
王子なんてそんなもの。兄のアルクは別として、物語のように美形で完璧な王子をサラは見たことがない。少なくとも式典などで見た各国の王子に関して言えば、大体ひょろりとしているか、丸々と太っているかなんだから。
しかしどんな気持ち悪い奴だったとしても、サラは逃げ出すつもりはなかった。途中で責任を放棄することは自分の信条に反するし、国のために役にたちたいのだ。
「あっ」
思わず声がサラから漏れる。人がいた。シルエットでしか判断できないが、男女二人だろう。
(助かった…)
人に会わないため助けを求めることも出来なかったサラは安堵した。これで無事自分の部屋に戻れるだろう。
人に駆け寄ろうとした瞬間、サラは足を止めた。近付くことをためらわせるような光景が目に映ったのだ。巨人倍増
前にいた男女の顔が近付いたかと思うと、唇が触れた。何回か重ねられたそれは次第に深く濃厚になってゆく。時折漏れる息使いがひどくなまめかしい。
ついには男の手が女の胸に触れていくのが見えた。まさかこの場ではしないだろうが、いつ男女の睦が始まってもおかしくない雰囲気だ。
(ありえない、ありえない、ありえない!)
ここは王宮の廊下。当然人が通る。そんな場所で熱烈ラブシーンが繰り広げられていていいのだろうか。
恋愛ごとに疎いサラはあまりの衝撃に、立ち去ることも出来ずただ固まっていた。すると男の視線がサラを捕らえる。紫紺の綺麗な瞳だった。
サラは視線にドキッとしたが足は地についたように動かない。男の瞳がふ、と笑むと男女の身体が離れた。
「人が来た。残念だけど、今日はここまでだ」
ちらと女がサラを見遣った。だがすぐに視線を男に戻し、。三便宝二言三言男と交わしている。男は微笑みは崩さず言葉を返し、女の耳元で囁くと女はぼおっと赤くなる。渋々ながらサラの隣を通り過ぎていくときに、ウェーブがかった黒髪と睨まれたような視線を感じた。お邪魔してしまったのだから当然かもしれない。
男はサラの方を見ている。見事な金髪と調った端正な顔立ちで、疑いようもない美形だ。
「見かけない顔だけど、君は?」
男がサラに問い掛ける。サラはやっと現実に戻ると、途端に怒りが込み上げてきた。
「あ、あなたこそこんなところで何をしてるの?非常識だわ!」
男がキョトンとした顔でサラを見る。それも一瞬で、すぐに納得したような顔をした。
「…ああ、なるほど…もしかして君はファームの姫君かい?」RU486中絶薬
「…そうよ。私はサラ・ファーム。そういうあなたは誰なの?」
この際どこの誰でも構わない。口調は思わずぞんざいになっている。感情のままこの国に嫁いできた姫だと自分で言ってしまったが、こんな奴に明かしていいものかと思っても後の祭りだ。しょうがないし、減るものじゃない。
男はなにがおかしいのか、にこにこと笑っている。
「申し遅れたね。私はラル・アラフォード…以後お見知りおきを、サラ姫」
「ラ…ラル・アラフォードって…あなたまさか」
「そう、一応君の夫になる男さ。紹介が遅れて悪かったね」
サラの思考は完全にフリーズした。この男がアラフォード国第一王子、ラル・アラフォードかつサラの夫。
予想を遥かに裏切る美形王子だ。物語に登場する王子様と言っても差し支えない。しかし、”非常識な”という但し書きが必要だろう。
ラルはサラの様子を楽しげに見たあと、おもむろにサラに近づいてきた。自然な動作でサラの手をとった。
「君みたいにかわいい姫君で私もうれしいよ」
「な、なな何するの!」
ラルは甘く囁くと手の甲にキスを落とした。顔がかっと赤くなる。言葉と動作がやけに様になっていて、嫌味がない。
サラは恥ずかしさに堪えられずなんとかして抵抗しようとした。だが振り絞った声はどこか頼りない。サラの抵抗にもラルは動じていなかった。
「何って挨拶さ。君みたいな子も新鮮だなあ。…ああ、そうだ。姫」五便宝
「な、何よ」
「今まで待たせてしまったから、今夜は姫を存分に可愛がってあげるよ。だから安心なさい」
なんてことを言うのだ!とサラは羞恥心を覚えた。
「けっ…結構です!」
「君もおかしな子だなあ。君は私のものになりにきたんだろう?」
それはたしかに本当のことだから、。威哥王
サラは言葉に詰まる。だからってわざわざ今夜、とか言わなくてもいいのに。サラは思わず本気で拒絶してしまった。
さらに言うと夫である王子相手に全く敬意を忘れていることに気付いたが、もう無理だとサラは思う。あの場面を見てしまってから敬意なんて払えるだろうか。
ラルも大して気にしていないらしい。微笑しているだけだ。
「それとさっき君が邪魔したことは気にしなくていいよ。あの子はまた頂く約束もしたしね」
「なっ…」
「じゃあ、また今夜」五便宝
その言葉を最後にラルは踵をかえし行ってしまった。何から何までラルという男が信じられない。ただ一つわかったことはつまり、とんでもない女たらしなんだろう。
だいたい、初対面とはいえ名目上は妻となったサラに対して、堂々と他の女の存在を匂わすのはどういうわけだ。
あんな顔がいい人に優しくされたら女の子の方がのぼせてしまうのだと、わかるにはわかるのだけれど。
(前妻達はあんな節操なしの女好きが嫌になったんだわ)
サラは今度は間違いないと結論づける。そして来たるべき夜のことを考えるていると、ラルの去った方からはぐれた侍女の声が聞こえた。新一粒神
総じてきらびやかで大きな宮殿だと知れた。威哥王
しかし、今は美術品を愛でている場合ではない。この広い城で一人でさ迷っている。つまり、迷子だ。
(この城、無駄に広すぎるのよ!迷わない方がおかしいわ)威哥王三鞭粒
今の状態を他のせいにして怒りながらとりあえず前に進んでいく当ては全くない、なるようになれ、と少女はがむしゃらに歩いていた。
この少女の名を、サラ・ファームという。薄茶色の長い髪を持ち、歩く度にまっすぐに伸びた髪が揺れる。どこか凛として上品な美しさを持っている。
それというのも、サラはファーム国第1王女。小さい国ながら、新一粒神一国の姫なのだ。
そんな身分だから供を連れていないはずはないのだが、その肝心な供とはぐれたのだから仕方がない。
(それもこれもあの話から全てがおかしくなったのよ!)威哥王
それは、数週間前に遡る。
***
「お父様、お話とは一体なんなのですか?」蟻力神
サラは父親である、ファーム国王・レギースの前にいた。レギースは威厳ある厳しい顔つきでサラを見ている。
隣には母のシータと兄である王子・アラクがいた。二人とも父親の話を承知しているようだ。
自分に関することなのだろうか、なんとなく居心地が悪い。
「サラよ。実はな、お前の嫁ぎ先が決まった」天天素
「…え?…」
サラは唖然とした。開いた口がふさがらないとはこのことだ。嫁ぎ先?
「よいか、相手はアラフォード国第一王子・ラル殿だ」
「あ、アラフォードって…大国ではありませんか!」
「うむ。光栄なことだ、しっかり頼むよ」
「…そんな」
サラは絶句した。何も言えない、ありえない。
嫁ぎ先が唐突に決まったと言われても、実感がわくものではない。しかも相手はアラフォード国。近隣の国の中でもトップクラスの、財と権力のある豊かな国だ。
ファーム国も決して貧しい国ではないが、アラフォードと比べるといくらか見劣りする。そんなわけだから、サラはこの縁談に気分が暗くなった。
サラは今16になっていた。婚姻は13、4歳で行われることもあるから、決して早いわけではない。サラも王女であるから、恋愛結婚なんて無理だと諦めてもいた。
(けれど、恋すらできなかったのよ)
活発な性格ではあったが、深窓の姫君として育てられたサラは恋する機会なんて全くなかった。そもそも異性と接する機会がないのだから、どうしようもない。
異性といえば父親と兄と弟、従者や衛兵、貴族のおじ様方しか知らない。貴族にも若い男の人はいるけれど、挨拶くらいしかしないのだ。
そんな全く免疫のない自分が嫁ぐなんて、想像できるだろうか。名前しか知らない王子の元へ。
だがサラには断る術もない。父親が嫁げといえば、国のために行くしかないのだ。
「かしこまりました」
「さすが我が娘。輿入れは2週間後だ。下がってよろしい」
「…失礼致します」
サラは礼をしてレギースの御前を去った。扉が閉まると、今まで黙っていた王子・アラクが父・レギースに声をかけた。
「父上。アラフォード国王子、ラル殿のことですが、サラは大丈夫でしょうか」
「ラル殿は随分問題のあるお方のようだからな」
「はい…逆に言えば問題があったからうちとの婚姻が成立したとも」
アラフォード国の王子は2度婚姻し、2度とも破談している。一人は同じく大国の姫。もうひとりは国内でも著名な貴族の娘だった。
――この世界、民衆はもちろん王族でさえ簡単に婚姻・離縁を繰り返すことができた。さらに言えば男女どちらが言い出しても構わない。王族に関して言えば、側室を帰すことも容易であるため女性の出入りが激しかった。
正妃として迎えられた女性と反りが合わなければ離縁することは、一度くらいならばよくある話だ。しかし他国間の婚姻の場合はその例はぐっと少なかった。何よりも相互の利害が絡んだ婚姻だから、離縁するにもやりづらいのだ。
それに別れることが簡単とはいっても、何度も繰り返してはいい感情をもたれるはずもない。 過去には3回離縁をした王がいるにはいるが、その王の治世はうまく行かず廃れてしまった例がある。天天素
そんな事情もあり、どちらも妃になった娘が別れを申し立て、王子の元から去っていった。期間はわずか数か月。
しかしどちらの娘も多くは語らず、不思議と国際問題にまで発展していない。
そのため他国の国王は裕福なアラフォード国にもかかわらず、大切な娘をラル王子に嫁がせることを敬遠していた。
親心としては当然の判断と言えるだろう。五便宝
アラフォード国にとっては、王位第一継承者であるラル王子に正妻がいなくては血筋途絶えてしまうから、これは大問題だ。だから破格の好条件を提示して他国ないし貴族の娘を求めた。
このアラフォード国の庇護を求めたわけではないが、ファーム国王レギースが手を挙げた。
そんなこんなでアラクは妹を心配していたのだ。かわいい妹が同じような目にあってはたまらない。レギースも勿論サラを心配していたが、全ての問題を考えて出した結論だ。中絶薬RU486
サラは親のひいき目なしにしても、真っすぐで意志が強い娘だ。彼女なら大丈夫だとレギースはなんとは無しに思うのである。
「大丈夫です、サラは幸せになりますわ」
王妃・シータがにこにこと笑みを浮かべて言う。レギースとアラクも顔を見合わせ、同じように微笑して頷いた。
***
(お父様の馬鹿!)
レギースの期待も願いも知らず、サラは父親に内心毒づく。こんな話を受けることになったのも、今自分が迷子になって心細いのも、皆父親のせいだ。というか、そう考えた方が寂しさに負けずに気が楽だ。
さらにいえばラル王子の元に嫁ぎに来たものも、まだ一度も本人に会っていなかった。
王子は街にフラフラと出掛けているらしく、精力的に探しているものも捕まらないらしい。サラがアラフォードに来て3日目になるのに、だ。
なんて非常識な人だろう、とサラは思った。年は23らしいという他はどんな性格と容姿をしているか、サラは知らない。ただ2度結婚をしたものも、数か月してすぐ破局したとは兄に聞いている。
(きっと恐ろしく我が儘で口うるさくて、年の割に親父っぽい気持ち悪い奴に違いないんだわ。だから前妻が二人とも逃げ出しちゃったのよ)
王子なんてそんなもの。兄のアルクは別として、物語のように美形で完璧な王子をサラは見たことがない。少なくとも式典などで見た各国の王子に関して言えば、大体ひょろりとしているか、丸々と太っているかなんだから。
しかしどんな気持ち悪い奴だったとしても、サラは逃げ出すつもりはなかった。途中で責任を放棄することは自分の信条に反するし、国のために役にたちたいのだ。
「あっ」
思わず声がサラから漏れる。人がいた。シルエットでしか判断できないが、男女二人だろう。
(助かった…)
人に会わないため助けを求めることも出来なかったサラは安堵した。これで無事自分の部屋に戻れるだろう。
人に駆け寄ろうとした瞬間、サラは足を止めた。近付くことをためらわせるような光景が目に映ったのだ。巨人倍増
前にいた男女の顔が近付いたかと思うと、唇が触れた。何回か重ねられたそれは次第に深く濃厚になってゆく。時折漏れる息使いがひどくなまめかしい。
ついには男の手が女の胸に触れていくのが見えた。まさかこの場ではしないだろうが、いつ男女の睦が始まってもおかしくない雰囲気だ。
(ありえない、ありえない、ありえない!)
ここは王宮の廊下。当然人が通る。そんな場所で熱烈ラブシーンが繰り広げられていていいのだろうか。
恋愛ごとに疎いサラはあまりの衝撃に、立ち去ることも出来ずただ固まっていた。すると男の視線がサラを捕らえる。紫紺の綺麗な瞳だった。
サラは視線にドキッとしたが足は地についたように動かない。男の瞳がふ、と笑むと男女の身体が離れた。
「人が来た。残念だけど、今日はここまでだ」
ちらと女がサラを見遣った。だがすぐに視線を男に戻し、。三便宝二言三言男と交わしている。男は微笑みは崩さず言葉を返し、女の耳元で囁くと女はぼおっと赤くなる。渋々ながらサラの隣を通り過ぎていくときに、ウェーブがかった黒髪と睨まれたような視線を感じた。お邪魔してしまったのだから当然かもしれない。
男はサラの方を見ている。見事な金髪と調った端正な顔立ちで、疑いようもない美形だ。
「見かけない顔だけど、君は?」
男がサラに問い掛ける。サラはやっと現実に戻ると、途端に怒りが込み上げてきた。
「あ、あなたこそこんなところで何をしてるの?非常識だわ!」
男がキョトンとした顔でサラを見る。それも一瞬で、すぐに納得したような顔をした。
「…ああ、なるほど…もしかして君はファームの姫君かい?」RU486中絶薬
「…そうよ。私はサラ・ファーム。そういうあなたは誰なの?」
この際どこの誰でも構わない。口調は思わずぞんざいになっている。感情のままこの国に嫁いできた姫だと自分で言ってしまったが、こんな奴に明かしていいものかと思っても後の祭りだ。しょうがないし、減るものじゃない。
男はなにがおかしいのか、にこにこと笑っている。
「申し遅れたね。私はラル・アラフォード…以後お見知りおきを、サラ姫」
「ラ…ラル・アラフォードって…あなたまさか」
「そう、一応君の夫になる男さ。紹介が遅れて悪かったね」
サラの思考は完全にフリーズした。この男がアラフォード国第一王子、ラル・アラフォードかつサラの夫。
予想を遥かに裏切る美形王子だ。物語に登場する王子様と言っても差し支えない。しかし、”非常識な”という但し書きが必要だろう。
ラルはサラの様子を楽しげに見たあと、おもむろにサラに近づいてきた。自然な動作でサラの手をとった。
「君みたいにかわいい姫君で私もうれしいよ」
「な、なな何するの!」
ラルは甘く囁くと手の甲にキスを落とした。顔がかっと赤くなる。言葉と動作がやけに様になっていて、嫌味がない。
サラは恥ずかしさに堪えられずなんとかして抵抗しようとした。だが振り絞った声はどこか頼りない。サラの抵抗にもラルは動じていなかった。
「何って挨拶さ。君みたいな子も新鮮だなあ。…ああ、そうだ。姫」五便宝
「な、何よ」
「今まで待たせてしまったから、今夜は姫を存分に可愛がってあげるよ。だから安心なさい」
なんてことを言うのだ!とサラは羞恥心を覚えた。
「けっ…結構です!」
「君もおかしな子だなあ。君は私のものになりにきたんだろう?」
それはたしかに本当のことだから、。威哥王
サラは言葉に詰まる。だからってわざわざ今夜、とか言わなくてもいいのに。サラは思わず本気で拒絶してしまった。
さらに言うと夫である王子相手に全く敬意を忘れていることに気付いたが、もう無理だとサラは思う。あの場面を見てしまってから敬意なんて払えるだろうか。
ラルも大して気にしていないらしい。微笑しているだけだ。
「それとさっき君が邪魔したことは気にしなくていいよ。あの子はまた頂く約束もしたしね」
「なっ…」
「じゃあ、また今夜」五便宝
その言葉を最後にラルは踵をかえし行ってしまった。何から何までラルという男が信じられない。ただ一つわかったことはつまり、とんでもない女たらしなんだろう。
だいたい、初対面とはいえ名目上は妻となったサラに対して、堂々と他の女の存在を匂わすのはどういうわけだ。
あんな顔がいい人に優しくされたら女の子の方がのぼせてしまうのだと、わかるにはわかるのだけれど。
(前妻達はあんな節操なしの女好きが嫌になったんだわ)
サラは今度は間違いないと結論づける。そして来たるべき夜のことを考えるていると、ラルの去った方からはぐれた侍女の声が聞こえた。新一粒神



