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恋の駆け引きなんて大キライ

「人数はだいたい、五~六人ぐらいかなぁ。中には初対面の奴もいるだろうし。みんな酔っぱらうとタチが悪いかもしれないけど、気にすんなよ?」
「うん」
 高津英人は素直に頷いた。三便宝同じ職場でアルバイトをしており、友人でもある羽柴裕司に誘われて、これから彼の行きつけの店へと向かうことになっている。
 男ばかりの集まりで酒を飲んで盛り上がっているらしい。これまで裕司とは何度か飲みに行ってはいるが、大人数で飲むのは初めてだ。英人は少し緊張していた。
 夜のネオン街を、男二人で肩を並べて歩く。ラブホテルがやたらと目に入り、英人は戸惑った。
「なんか、夜の街って感じだね」
「英人はあんまりこういう雰囲気とか、馴染みない?」
「俺はいつも、仕事終わ巨人倍増るとすぐ家に帰っちゃうから。金もないし」
 照れくさそうに英人が笑うと、つられたように裕司も笑う。
「そう言えば、彼女もいないんだっけ?」
 裕司に聞かれて、英人は素直に頷いた。
「うん。なんか縁がなくて」
「家にばっかりいるからだよ。たまには外に出なって。今日みたいにさ」
 裕司にそう言われ、英人は苦笑した。誘われれば参加はするのだが、わざわざ自分から外に出ようとは思わないのだ。
「あ、着いた。ここだよ、ここ」
 裕司が足を止め、英人もつられて足を止める。細い路地を入ったところに、天天素その店はあった。オシャレで大人の雰囲気たっぷりの外観なのだが、細い道路を挟んだ向かい側に立派なラブホテルがあるのが気になる。
 英人は圧倒されてしまい、一人でこんなところに来るのは絶対に無理だ、と内心で思った。
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